スポーツ安全指導推進機構/格闘技医学会

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世界王者・纐纈 卓真 VS Dr.F 対談③ ~強制の限界と指導者指導~



―――前号に引き続き、カラテ家・纐纈代表とDr.Fの対談をお送りします。お2人は現在、選手を引退されて新しいステージにいらっしゃるわけですが、「現在の立ち位置から興味があることはなんでしょうか?」という話題から進めてみたいと思います。では纐纈代表よりお願いします。

 

纐纈 やはり今は指導ですね。引退する前から指導には携わらせて頂いていたのですが、引退するまでは「自分が強くなるためにやってきたことを伝える」というような「自分の為にやったことを共有する指導法」だったんです。

 

 でも引退して色んな経験をする中で『それだけじゃダメだ』と痛感し、今は「各々の道場生に合った指導」を目標にしています。その難しさに四苦八苦しながら試行錯誤を繰り返しているので「指導」は僕の中で今スゴく興味があるところです。

 

―――なるほど、指導に関しては、引退前と引退後でスタンスが変わられたのですね。Dr.Fは指導に関してはどうですか?

 

Dr.F 僕の場合は17歳の時から少年部と一般部の指導をインターナショナル空手古武道連盟・養秀会という流派の篠原支部長の監督下でやらせていただいてました。北九州にある小さな公民館での練習でしたし、選手志望の人は少なかったから、自分が強くなるためには練習仲間や後輩を強くしていく以外方法が無くて・・・。

 

 また大学時代は極真カラテ同好会を立ち上げた関係で、「ますは友達を誘ってカラテに興味をもってもらう」がスタート地点でした。とはいえ、今振り返ると「あれは良くなかったな」「今ならもっといい方法でやるのに」という反省は多々ありますね。

 



―――かなり早い段階から「練習と指導」が一体だったわけですね。

 

Dr.F はい、あと会員勧誘もですね(笑)現在は、格闘技・武道はもちろん、スポーツ領域における指導者指導、教育者教育、という立ち位置で関わらせていただいています。

 

 

ーーー海外に赴いての格闘技医学の指導も、指導者指導、教育者教育の一環なのですか?

 

Dr.F はい、その通りです。もちろん選手とも練習したり、一緒に課題を考えたりするのですが、指導者と医学的な原理原則を共有することで、多くの生徒さんに強さの根拠や背景にある医科学が伝わるので。「こうやって、こうして、あーやると強く打てる」よりも手のレントゲンを見せて、「僕らの手は実はこうなってるんです、さぁ、どう使いましょう?」という感じですね。

 

纐纈 僕も格闘技医学会で解剖や機能を学ばせていただいてるんですが、レントゲンなどの画像で人体のことをきちんと理解しながら、自身の経験と照らし合わせる作業は相当面白いし、勉強になります。

 

Dr.F ありがとうございます。ひとつのレントゲンからディスカッションがどんどん展開されていくので、僕もかなり面白がっています(笑)纐纈代表の指導者としての現場での試行錯誤にも関心がありまして、ぜひ指導についての考えをお伺いしたいです。



纐纈 「この方法が絶対に正しい」とは僕には言えませんが、これまでの経験から『この選手にはこの技術がフィットするだろうな』とか『今この選手に必要なのはコレ』といった事は少なからず分かったりします。

 

 でもその選手のモチベーションや状態によっては、それがもし合っていたとしても効果を発揮しないどころか、取り組んでも貰えないなんてことも少なくないんです。

 

Dr.F 取り組んでももらえない?

 

纐纈:そうなんです。『なんか上手く伝わってないな…』『この子の場合はモチベーションを上げないと、そもそも練習の質が上がらない…』といった経験をする中で、技術以外の部分でも、これまで以上に「どう気づいてもらうか」「どうモチベーションをアップするか」といった方法を考える様になってきました。

 

Dr.F なるほど。とても重要なことですね。

 

纐纈 たとえば「十分な力量があるのに腕立てなどの補強で手抜きをする」「自分流があるのは良いものの、その拘りが強すぎて欠点が変わらず、実力的には十分なのにあるタイプの選手には必ず負けてしまう」など、他にも「これを解決するのは空手の技術じゃない」といったシュチュエーションを何度も経験してきました。

 

 正直こういう時、昔は強制的にさせることもあったのですが、結局そんな事をしても本人が望んでやろうとしている訳ではないので、その子の中で「コレは言われた時にやること」になってしまうだけなんですよね。

 

 やっぱり「やらせる」では本当の意味で強くなることはないんじゃないかって思いが、引退して道場生中心の目線になればなるほどドンドン強くなりました。

 



 

Dr.F 「これを解決するのは空手の技術じゃない」という纐纈代表の言葉は示唆に富んでいますね。「モチベーションを上げる」「それが必要であると気づくきっかけを与える」ってあらゆる場面で応用可能なテーマですよね。

 

 僕がいた地方の道場ではそれこそ「いじめられていて親が入門させた」とか「性格が内向的で気合はおろか、挨拶の声もほとんど聞こえない」とかで、そもそも試合志向の人が少なかったんで、まず「カラテって楽しい!」と感じてもらうのが先でした。

 

ーーーお二方の指導経験を伺いながら「やらせる」ではない指導の方向が見えてきました。強制ではない、自主的に練習に向かうために、どんな工夫をされていますか?

 

纐纈 そうですね、空手の道場は「同じメニューを全員でこなす」的な稽古が多くなってしまうのですが、それだけだとどうしても「やらされてる感」が出てしまうので、近年とくに意識的に取り組んでいるのが、稽古メニューの中に「難易度や強度といった変化させられる部分は道場生自身が選択して決められる」という形です。

 

そうすることで、皆んなで一緒にやるメニューの中にも『自分で決めた目標』が設定できるような工夫をしています。

 

Dr.F なるほど!格闘技は、相手あってのことですから、自分の都合で動きを止めるわけにはいかないじゃないですか。だから纐纈先生のように「決まってること」もやっぱり必要です。でもその中で可変的な余地がある、というのは、自分で掴みに行ってる感じ、しますよね。

 

 これは格闘技医学的にも興味深いんです。というのも上達に関わる脳の報酬系回路でドーパミンが大量に放出されるには「自分で選び取った感覚」が必要で、共通メニューの中にいい形で組み込まれていらっしゃるように感じました。

 

纐纈 おおお、そうなんですね!暗中模索の部分もあるので、そのような格闘技医学の背景を知ることで自信につながりますし、もっと高めようという気になります。二重作先生は空手道場時代、どんな工夫をされていましたか?

 

 

Dr.F そうですね、これは高校時代から、今も時々やっている方法なんですが、みんなで一斉にシャドーをやるんです。

 

 で、その中で、「これは!」という動きの人を見つけては、「みんな、注目ー!彼のこの動きを見てください」ってやるんですね。ステップがスムーズだとか、構えがスタイルにフィットしてるとか、ハイキックに至るポジショニングが上手いとか、表情が素晴らしいとか、伸張反射が使えてるとか。そういうところを、みんなに注目させながら、解説するんです。

 

纐纈:それは良いですね!一斉にやるシャドーでそういう展開は考えたことがなかったです。

 

Dr.F 今の時代、パンチや蹴りが上手い、とかはYou Tubeみてる素人でもわかるじゃないですか。そうではなくて、「実践してなければ着目しないポイント」とか、「本人も気づいてない特徴」をしっかりこちら側が捉えて、みんなの前で指摘しつつ、にわか発表会にしちゃうんです。



本人も「みんなが見てる」って気合いも入るし、嬉しいし。周りも次は僕が手本になるかもしれない、と熱が入る。

 

纐纈:なるほど!

 

Dr.F カラテはあんまり好きじゃなかったとしても、周囲に認められることとか、全体の役に立つことは、おそらく嫌いじゃないので。「弱点を指摘される練習」だと、不登校の子供さんはまず続かないので「強点を認める練習」を多くするように意識しています。

 

 

 

 

纐纈 確かに弱点を指摘されて心が折れないのは、すでに『俺は絶対に強くなるんだ!』って奮起している人だけで、折れる人の方が多いんですよね…。

 

Dr.F そうなんです。「道場に来るだけでも素晴らしい!」ってホントに思いますし。

 

纐纈 たしかにそうです!

 

Dr.F 纐纈代表はどのように選手の強さを引き出していらっしゃいますか?

 

纐纈:僕は3人1組で「良い出しミット」というのをやったりします。1人はミットをする人、1人は持つ人、1人は良い所を見付ける人。ルールは初級者なら「良い出し役の人は何でも良いからミット終了後に必ず1つは良かった点をやった人に伝える」。上級者ならそこに「良い点がなぜ良かったのかを具体的に伝え、もし気ついた改善点があれば「ココをこうするともっと良くなるんじゃないかと思う」と気づいた点も伝える」といったものです。

 

Dr.F 良い出しミット、おもしろそうですねー!言語化にもなりますね。

 

纐纈:こうすることで、やる人は良い所を見付けて欲しくて頑張ったり工夫してくれるという点もありますが、自分ではなく「人から見て良いと思う点」に気づけたりします。また、良い出し役の人は「何か1つでもその子の良い点を見付けてミットが終わったら伝えなくてはいけない」というルールがあるので、人の動きを集中して見ざるを得なくなります。

 

Dr.F なるほど、マストのルールがあるのはいいですね。

 

纐纈:そうなんです。その中で『この子のこんな所が良い』だけでなく、『こんな方法もあるんだ』『これは自分にも使えるかも』といった発見や『こうしたらもっと良くなるんじゃないか』というアイディアなど、道場生が自ら工夫するキッカケ作りの一環として導入したりしています。

 

(④へ続く)

 

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推薦図書01 ~ロバート・ツルッパゲとの対話 ワタナベアニ著~

残念ながらスポーツや格闘技の世界にも、思考停止が至るところで見られます。
 
十分に身体と精神を鍛え上げ、ディフェンスをマスターした大人同士だから許されるハードなコンタクトスポーツが未完成な子供に安易に適応される例。
 
メディカルチェック無しに選手生活を邁進し、せっかくいいところまで行ったのに、大きな大会前に初めて脳のリスクが判明した例。
 
パワハラ的な指導が常態化してしまっていて、「それを乗り越えなければ勝てない」という思い込みに苛まれる例。
 
他にも、よく考えたらおかしなことなんだけど、いつのまにか自分の思考にブレーキをかけてしまってる、あるいは「そんなものだ」と納得させてしまっていることはないでしょうか?
 
その一方で、スポーツや格闘技におけるパフォーマンス向上に必須のスキルがあります。
 
それは自分で自分を強くすること。
 
カリスマ的選手の方法も、憧れの先輩のやり方も、たしかにヒントは満載でしょう。
 
しかしながら、それらも「そっくりそのまま」では使えません。夢の無い話ですが、「その人だからできる技術や戦術」というのは現実に存在します。
 
仮にコピーしたとしても、劣化コピーになってしまい必ずどこかで限界が来てしまいます。
 
個体として、身体が違い、脳が違うから、「エッセンスを取り込む」あるいは「考え方を学ぶ」というところを最適解にしつつ、どこかで自身の強さを見つけていく必要があります。
 
そこで、格闘技医学会の推薦図書として、ご紹介したいのが本書です。
 
自分の脳と身体で考え、行動すること。シンプルで強靭なメッセージを、決して声高に上からではなく、実に愉快に、軽妙に伝えてくれる良書です。
 
著者であるワタナベアニ氏とはTwitterにてご縁をいただきまして、推薦図書とさせていただきたい旨をお伝えしましたところ、なんと著者自らメッセージを頂戴しました。以下、添付します。
 
 

このたびは『ロバート・ツルッパゲとの対話』をご推薦いただき、誠にありがとうございます。 ふざけた表紙と書名ではありますが、どうしたら自分が自分の考えで自由に生きていくかを真面目に書いたつもりです。
 
毎日のニュースを見ていると、人々はつねに「理不尽さ」と戦っているように見えます。そしてその勝負に負けているのです。
 
理不尽なシステムは誰が作ったのでしょうか。誰かひとりが作ったわけではありません。「こんなことを言ったら怒られるかもしれない」「本当は嫌だけど、やらないと責められるかもしれない」といった、ひとりひとりの我慢の一滴が岩に大きな穴を開けたのです。
 
人間は動物であることを忘れてはいないでしょうか。最先端のテクノロジーは人間が持っている野生や本能を超えたように感じているがそうではないこと、出発点はいつも肉体であることを思い出した方がいいと思います。
 
いくらテクノロジーが進化しても、パソコンを買いに行くときには足で歩き、ネットでキーボードを打つときには指や手首を使っています。その肉体の動きを精密に知ることをおろそかにして、目の前のモニタに映っていることだけが真実だと思い込み過ぎてはいないでしょうか。
 
私は人間を二つの種類に分けるとマイク・タイソン側の顔と体格をしていますが、幼い頃に少しだけ格闘技を学び、攻撃すること、防御することを肉体で知ったことが現在の写真家という仕事にも役立っていると感じます。世界のすべては他者とのヒューマニズムに基づいたコミュニケーションにあります。より自由で豊かで優しい社会になって、『ロバート・ツルッパゲとの対話』のような本が生まれる必要がなくなるといいと思っています。
 
ワタナベアニ
 
ーーーーー
考えるとはどういうことだろう?自分らしく強くなるにはどうしたらいいだろう?そんな疑問をお持ちの方には、ぜひともお手に取ってみていただきたい書です。
 究極的には、誰かが私を強くしてくれるわけではありません。であれば、強さを志向し、思考し、試行し、施行して、自らの身体と精神に問うてみるしかない。本書は大いなるヒントとして、強さを求める人々のセコンドとしてそばにいてくれると確信しています。
 
スポーツ安全指導推進機構/格闘技医学会代表 二重作拓也
 

世界王者・纐纈 卓真 VS Dr.F 対談② ~集合知とリングス~

 

纐纈 僕は元々運動が得意でもなく、稽古でも「不器用だ」って言われていたんです…。そこで『どうすればもっと強くなれるんだろう…?』って自分なりに色々勉強をはじめたんですが、その中で色んなスポーツの身体操作に関する書に出会い『これは面白い!空手に使えそう♪』ってなったのが最初のキッカケでした。

 

それからは《調べる→自分で試す→空手に流用してみる→組手に導入→改善》のループの中で『研究すればするほど出来るようになる!強くなれる!』って成長の感覚が楽しくて、自分でも驚くほどのめり込んでいきました。

 

たぶん尽きない研究心の根底は「成長欲求が満たされるのが面白くて仕方ないから」だと思っています。

 

Dr.F  なるほど、昔は「とにかく練習すれば強くなる」みたいな考え方が主流だったように思いますが、纐纈代表は学びや研究が常にセットで成長に繋がっているのですね!その成果の数々がYou Tubeなわけですが、「知ってると知らないとで大きくちがう」例があれば、ぜひ共有してください。

 

纐纈 もう「全て」ですけど(笑)

 

Dr.F 全て!最高(笑)

 

纐纈 例えば、パンチの動作改善をする際に大きな筋肉から1つずつ『この筋肉をパンチの時に有効利用するにはどのタイミングでココを収縮させればイイだろう?』って部位毎に分けて研究して威力やスピードを上げていたんですが、これも《全身の筋肉の作用と、どの筋肉がどこからどこに繋がっていて、どの筋肉を収縮させれば身体がどう動くのか?》といったことを知らないと改善どころか、改善方法さえ思いつけないんです。

 

Dr.Fある人はパンチは腰で打つ、別の人は足で打つ、違う人は手打ちでいい、のように経験則ってバラバラだし、それ以前の前提として「そのパンチは何を目的としてるのか」が共有されずに、「強いパンチの方法」だけが独り歩きしてる気がします・・・。

 

纐纈 スゴく分かります。特に「俺のが正解だ」タイプの指導者は、自分の知っている経験則だけで全てを説明しようとするので、同じ身体の使い方や感覚の近い人にしか伝わらないですし、そもそも間合いや目的、状況によって効果的な身体の使い方は違いますからね。

 

Dr.F たしかに、その通りですね。

 

近距離~長距離、使う主働筋の種類など、間合いや状況によって強いパンチだけでも種類がたくさんありますし、当たらなければ意味がないので、それを当てるプロセスを構築するための速いパンチや倒す目的ではないパンチの技術も実戦ではメチャクチャ大切なんですよね!

 

Dr.F なるほど!経験則に基づく「ある正解」は「違う不正解」を導いてしまいますね。

 

纐纈 そうなんです。だから僕は「僕が実際に使った技術の中でも、伝わりやすく、誰にでも再現可能な普遍的技術」という縛りを自分に設けて配信しています。

 

「Dr.Fの格闘技医学」の書で紹介されている「関節角度」なんかは、まさにそれで。知っていれば一瞬で確信を持って再現・応用できるのに、知らなければ一生《本当に強い角度》に確信を持てないままですから・・・。

 

僕も「関節には出力が最大になる角度がある」という視点をもらった時は本当に衝撃的で、目からウロコがゴロゴロ落ちた記憶があります!

 

Dr.F  医療の世界は「知ってる/知らない」が生死にかかわる現場ですし、「経験則」以上に「集合知」へのアクセスが重要で。

 

纐纈 集合知!僕もメンバーとして学ばせていただいている格闘技医学会は、完全に「強くなる集合知」を実現していて、一人だったら辿り着くのに何年もかかったかも知れない知識に一瞬で辿り着けたりするので効果が半端なくて。僕の「技の言語化」が急速に発展したのも、格闘技医学会の集合知のお陰です。しかもメンバーがハンパないですし。格闘技・武道に関する医科学的研究という意味では最高のシンクタンクだと思います。

 

 

Dr.F ありがとうございます。しかも格闘技医学会内部に存在する「纐纈ノート」は集合知のレベルを現在進行形で引き上げてくださっていますから!あの前田日明氏が「ファン」を公言するほど絶賛されたのも、纐纈代表の医学会内部での積み上げを知ってるだけに、とても納得がいくんです。前田氏との対談はいかがでしたか?

 

纐纈 前田さんとの対談はもうただただ光栄でした!

 

学生の頃にテレビを見て大興奮していた方と対談させて頂けるのが嬉しくて、前日から寝れないくらいワクワクしていたのに、対談初っ端であの様な言葉まで頂いて、もうこれまで色々ありましたが、僕の空手人生を全て肯定頂いた気がして、本当に筆舌に尽くし難いくらい嬉しかったです。

 

 

 

 

対談の中でも、それ以外の会話でも、年齢を重ねても尽きない前田さんの格闘技への探究心に驚かされました!

 

Dr.F 「空手人生を全て肯定して頂いた」これは本当に素晴らしいですね!

 

言葉って「誰がそれを言うか」に尽きると思うんですが。前田代表は間違いなく、現在の格闘技界の基礎を築いてくださった重要人物のひとりですから、格別でしょうね。

 

その核にあるのが前田代表の「探求心」というのは凄く腑に落ちます。実際、世界中の途轍もない才能たちが当時のリングスに集ったのも前田代表の熱意と覚悟と行動あってのことですもんね!

 

 

纐纈 本当に!いま前田さんのYou Tubeで過去のリングスの試合を解説付きで見られるのですが、いま改めて見ても、当時リングスに集った選手たちって、後にK-1やPRIDEでも実力を証明していく選手を含めて、時代を築くような凄い逸材だらけですよね!

 

 

 

 

 

 

 ルールなども試行錯誤しながらの時代に、どうすればあれだけの逸材を一つのリングに集めることが出来たのか…僕にはとても想像もできないですし、『もし当時あの会場にいて、その興奮を生で味わっていたら、僕の人生観変わっていたかも』なんて思ったりします。DrFはリングスのリングドクターを通じて、どんなことを学ばれましたか?

 

 

Dr.F 語り尽くせませんが、あえて2つに絞ります。

 ひとつはリングサイドとバックステージで世界のトップを目の前で体感できたこと。僕はカラテと柔道の経験しかなかったのですが、一流選手の動きを近くでじっくり視るだけで、総合の技術を覚えることができたんです。本当に凄いものは視覚で捉えるだけで脳が活性化して覚えてしまう。あれには心底驚きました。

 

高阪剛選手や田村潔司選手といったプロ中のプロ選手、ヒョードル選手やノゲイラ選手などの世界最高峰の選手など、これ以上は考えられないお手本をリングに接した場所から体感できたんです。

 

纐纈 それはスペシャルすぎますね!

 

Dr.F しかもリングドクターだから目を離せない!終わった時には毎回グッタリです。

 

纐纈 なるほど、凄い集中力必要そうですね。

 

Dr.F そうなんです。リングスで学んだこと、もう一つは「安全」です。KOKルールもそうですし、レフリー陣も一流でしたし、KO量産用のマッチメークもなかったです。試合前のメディカルチェックと試合後の検査を含めたフォローも含めて、リングスは「選手が安心して戦える環境」を追求していました。

 

 

 これも前田代表の「人に対する想い」の具現化だと感じています。ですから「強さの根拠の明確化」と「安全性の向上」、つまり「格闘技医学」のコンセプト自体、前田代表とリングスに大きな影響を受けていますね。纐纈代表はどんな変化を感じられますか?

 

纐纈 人としての姿勢に、めちゃくちゃ影響受けました!『こんな風に振る舞える、人として大きな空手家になりたい!』って、今は人生に於ける僕の目標の一つにもなっています。総合格闘技は前田さんがいなかったら今の形にはなっていないと言ってもいいくらい、選手として、そしてプロデューサーとしても、格闘技界の礎や時代を築き上げてきた前田さんが、今でもあれだけ貪欲に強さや技術を研究し続けていることに影響を受け、僕の研究熱もさらに上がっています。

 

 

 格闘技界って実力主義的な側面のせいで「自分が1番」って思われるために誰かを蔑んだり、選手を囲うために人から教わった技術の情報元を隠して自分のモノとして指導する指導者も少なくないんですが、そんな格闘技界において前田さんのような大人物が、僕のような若造にまで敬意を持って接して頂いた上、You Tubeという公の場で次世代として引き上げてくださったことは、驚きと共に本当に感激しており、『人としての器が大きいっていうのは、こういう方のことを言うんだなぁ〜!』と改めて思います。

 

Dr.F 素晴らしいですね!

 

僕も『何歳になっても相手の年齢や立場に関わらずリスペクトを持って接し、次世代を引き上げてあげられるような大きな人になりたいなぁ〜』って思いました!最近は、前田さんにご縁を頂き、朝倉海選手や久保優太選手といったトップファイターと技術交流させてもらったり、前田さんとお会いする前では考えられないほど、会う人も環境も大きく変わりはじめています。ですので「前田さんに出会って変化したモノ」を一言でまとめると「僕の人生」なのかなって思います。

 

③へ続く

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世界王者・纐纈 卓真 VS Dr.F 対談①  ~リアル・グラップラー刃牙の言葉~

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ーーー今回は極真カラテ世界王者にして、伝説の百人組手を達成したカラテ家、纐纈卓真(こうけつたくま)代表をお迎えしての対談です。今、You Tubeでも話題騒然、カラテはもちろん様々な格闘技ジャンルの皆さんからもチャンネル登録やコラボレーションが相次いでいる纐纈氏。Dr.F、まずはお二人の出逢いから聞かせてください。

 

Dr.F 纐纈代表の存在を知ったのは、私が連載していたカラテ専門誌でした。若き世界王者の表紙に目が釘付けになりまして!

 担当記者に尋ねたら「全く怯まず、打ち合いを辞さない空手をする」と聞いて、興味が湧いたんです。相手が自分よりでかいとか、どんな飛び道具もってるかわかんない外人相手にもそれができるって凄いな、と。彼のスピリットにも関心を持ったのを覚えています。

 

ーーー専門誌から試合ぶりが伝わったんですね。纐纈代表はどんな印象をお持ちでしたか?

 

纐纈 僕がDr.Fを知ったのも同じ専門誌の連載でした。当時から既に医学的な根拠を示しながらケガした選手が強くなりながら復帰できるリハビリ、強くなるために脳とイメージを使う方法などを公開していて『新しい視点で格闘技を研究している面白い人がいるなぁ〜』って思ってました。

 

当時流行っていたmixiでご挨拶頂いたのがキッカケだったんですが、その時は『あっ!あの格闘クリニックの先生だ!』って思いました!

 

正直あの挨拶が、その後の僕に大きな影響を与え、今に続く大切なご縁になるとは想像もしていませんでした。

 

Dr.F SNSで交流する中で、格闘技医学セミナーを愛知のOISHI GYMでやらせていただいた日の真夜中に、纐纈代表がわざわざ車を飛ばして会いに来てくださったんです。

 

 

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名古屋市名東区のキックボクシング、エクササイズ、空手、ダイエットの大石ジム

 

 

纐纈 ずっと先生の研究が気になっていて『一度直接会ってお話をさせて頂きたい!』と思っていたので、夜11時頃にお会いしてから朝5時の閉店まで話が止まらず、居酒屋の席を立って技の解説をしたり、お店を出てからも楽しすぎて話し足りなかったりで。

 

Dr.F そうそう、居酒屋の個室で相互セミナー(笑)

今考えれば、相当失礼な話ですが、僕はビックリしたんです、纐纈選手が考え抜かれた空手をされていたことに。

 

これはYouTubeでも非公開レベルでしょうから詳細は黙っておきますが(笑)相手の強さを下げるテクニックを駆使されていた。技術も戦術も、纐纈流のオリジナリティを感じたんです。上まで行く選手はどこか知性的な面を感じるんですが、纐纈代表は粉砕するような爆発力と知性的な駆け引きが、絶妙にブレンドされた選手だと理解したんです。

 

纐纈 ありがとうございます!

でも実は先生とお会いした頃は、僕が空手人生でもっとも悩んでいた時期で、夢だった世界大会で優勝したものの満身創痍で救急搬送されるレベルで・・・

 

『あんな状態で自分が優勝できたのは運が良かったからだ…正直もう僕の伸び代は大きくないし、たった4年で確実に2連覇できる実力になるなんて無理だ…』と思っていました。でも周りは既に2連覇を期待していて…だから一人になるとプレッシャーで嘔吐するような状態が1年以上続いていたんです。

 

Dr.F えー、そんな時期だったんですね。

 

纐纈 そうなんです。でも居酒屋で二重作先生と話していた時に、僕の空手観を大きく変えるキッカケがあったんです!

 

Dr.F なんと!

 

纐纈 それは「格闘技には相手がいる」という初歩中の初歩を見つめ直せたことだったんです。

 

僕はそれまでずっと自分のパンチ力やキック力を上げる身体操作、効きやすい部位、相手の実力を奪う方法などばかりを考えていました。でも「僕は僕目線でしか空手を見てなかった」ことに気づけたんです。

 

具体的には「この間合いでここを攻撃すれば相手のこの武器を壊せる」「この距離のパンチ力なら負けないからこの間合の打ち合いに持ち込めばダメージの足し算で僕の勝ち」のように自分の攻撃でしか組手を考えていなかったんです。

 

Dr.F なるほど。

 

纐纈 あの時先生が語られた「相手側の目線に立って組手や技を組み立てる発想」が僕にはなかったんです。例えばKO集を見てもKOした選手の分析しかしていなかったんです。

 

でも先生とお会いしてからはKOされた側の選手の目線や重心を分析、再現することで色んなモノが見えるようになり・・・。

 

『もう伸びシロなんてない…』と悩んでいた僕が、一夜で「伸びシロしかない白帯」に戻った感覚で。その日から空手が楽しくて楽しくて、僕の研究好きに一気に火が点き、あれから10年以上。今でもずっと楽しくて、新しい発想や技術も生まれ続けているんです。だから先生と格闘技医学会には本当に感謝しかありません。

 

 

 

 

Dr.F うわぁ、ありがとうございます。居酒屋の会話で、そこまで深い気づきを得て、伸びシロを発見できたのは、それだけ纐纈代表が真剣に悩まれていたからだと思うんです。

 

「どうすれば強くなれるか・・・」

 

喉が渇いているにも関わらず、どこに水があるかわからなかった。そんなとき、たまたま僕がミネラルウォーターをもっていたような。

 

纐纈 いやまさに!喉がカラカラの砂漠の真ん中でミネラルウォーターを渡されたような感覚でした!

 

Dr.F でも、自分目線の組手をしていたのは、まさに選手時代の前半の僕でして(笑)

 

もっと強く、もっと速く、もっと上手く、もっと長く。

 

ずっと「何かをプラスする発想」しかなかったんです。どんどんやるべきことは増える、時間は足りなくなる・・・。

 

纐纈 足し算で限界を感じた感覚、凄く分かります。先生は何故それに気づかれたんですか?

 

Dr.F 当時僕は、研修医で全日本ウェイト制に出る、という目標で3時間睡眠とか無茶苦茶やってたんですけど。

 

「練習がきつい」以前の問題として、「練習時間の確保が圧倒的にきつい」という状況でした。

 

夜22時に道場に電話して「今からいく!待ってて!」と後輩に残ってもらって、終電まで渋谷の道場で練習。これはかなりいい方で、当直の夜はリハビリ室で自主トレ、救急対応、自主トレ、みたいな感じで。

 

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纐纈 めちゃめちゃハードですね・・・。

 

Dr.F 今僕の年齢でやったら3日で死にます(笑)なので「プラスする練習だと、時間のあるライバルたちに勝てない」、まさに迷いの中でした。

 

そんなとき前田日明代表率いるリングスのリングドクターの機会をいただき、そこでグラップラー刃牙のモデルとして有名な平直行氏に出逢ったんです。

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taira-world.com

纐纈 おおお!

 

Dr.F 平さんが「強いパンチで相手が倒れるわけじゃない。弱いパンチで相手が倒れたら、人はそれを強いパンチだっていうんだ」ってことを何気ない会話で教えてくださったんです。

 

「うわー!そうかーー!!」と脳天をハンマーで殴られたぐらいの衝撃を受けまして。そこから「自分と相手の関係性」に注目するようになったんです。

 

纐纈 なぜあの時、先生が僕に平さんの言葉を教えて下さったのか今ようやく理解ができました。あれから「自分と相手の関係性」というキーワードを先生から何度もお聞きし『僕ももっともっと研究したい!』って思ったんです。

 

Dr.F 僕、前は「自分をコントロールすることで相手をコントロールする」って考えていたんですよ。「いやまて、ちょっと違うぞ」と。例えば、一歩前に出てみる。すると相手との距離が数十センチ短くなる。その関係性の変化に対して、相手も反応するんじゃないか、と。

 

つまり自分から動くことで変えられるのは、「関係性」であり、刻々とそれを変え続けるのが格闘技だ、と。

 

もっと早い段階で気づきたかった、遅かったー(苦笑)

 

―――お2人の「素敵な関係性」が伝わってきます(笑)

 

Dr.Fさすが、ファイト&ライフさん(笑)それにしても纐纈代表は、ちょっとした会話のヒントからでも「学ぶ貪欲さ」が凄いですよね!

 

②へ続く

 

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纐纈代表の推薦の言葉も掲載

格闘技医学 第2版

 

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スポーツ安全指導推進機構テストとは?① ~スポーツ安全後進国~

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―――Dr.Fのツイッター(@takuyafutaesaku)「中高運動部では年間35万件の事故、10年で154件の死亡事故が発生している」という情報をお見かけして、その数に正直ビックリしました。死亡数も「1年で15人以上」となると、見過ごすわけにはいかない数字ですね。

 

Dr.Fこれ、あくまで中高の部活だけですからね。キックや総合、フルコンタクトカラテなどは、一部を除いてほとんどが「部活外のスポーツ活動」に位置づけられますから、そういった格闘技系競技や、中高生以外の年齢層を含めると実数は確実に増えていくはずです。

 

―――日本柔道での死亡者数も大きな問題になっているようですが。

 

Dr.F 柔道では1983年から2010年までで114人の中高生が事故で命を落としています。ネットで検索すれば出てきますが、小学生1年生、小学5年生も柔道の投げ技により頭部外傷で尊い命が失われています。台湾では指導者が子供に命令し、「子供が子供をずっと投げ続ける」という虐待行為があり、投げられた子供は意識不明の重体、1か月後に他界されました。投げ続けた子供にも、一生消えないトラウマが残るはずです。

 

 

 

―――・・・言葉を失いますね。

 

Dr.F  誤解しないで欲しいのですが、柔道は素晴らしい武道です。僕も柔道部にいたことがあって地区の公式戦にも何回か出場しましたが、そこで得られたものは非常に大きいですし、柔道の猛者はみんな格闘エリートですよ。

 だからこそ柔道をやって不幸になる人の数をゼロにすべきだと思うんです。「危険だからやめろ」ではなくて、「どこをどうしていけば安全性がさらに高まるのか」をスポーツドクターの立ち位置から追求したいんです。

 

―――たしかに、素晴らしい文化だけに障害を負ったり、命を落としたりするのは誰にとってもプラスはないですね。このような状況を打破するためには、どうすればいいのでしょうか?

 

Dr.F これはもう、スポーツ安全先進国に学ぶしかないんじゃないでしょうか?

 

―――スポーツ安全先進国?

 

Dr.F そうです、日本は明らかに後進国なので。以前にもお伝えしましたが、柔道において日本を遥かに上回る競技人口を有するフランスでは、13年間で死亡者数はゼロです。

 

―――ゼロ!その差は一体何なんですか?

 

Dr.F いろんな要因が挙げられますが、そのひとつとして指導者の資格があります。フランスでは柔道を指導するには国家資格が必要なんです。研修時間は250時間から300時間、柔道指導資格は約80万円、上級指導資格は約123万円のコストがかかります。それだけステイタスも高く、安全性を含めた指導内容のレベルが高いといえるでしょう。

 

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―――それだけの時間とコストがかかるんですね!

 

Dr.F もちろん指導の資格だけではなく、スポーツのシステムも違いますし、特に欧米は訴訟社会ですから、責任の所在もかなり明確なんです。フランスは指導を厳密に資格化した結果、競技者数は日本の3倍にまで増え、レベルも上がり、東京2020オリンピックの柔道男女混合団体では圧倒的な強さで優勝。日本は完敗を喫しています。

 

ーーー柔道の世界最強はフランス、という状況をつくり上げたわけですね。

 

Dr.F その通りです。裾野が広がれば、頂点も高くなる。このシンプルな図式を結果で証明したんです。ただ、日本も「他人を危険にさらす可能性」がある場合、資格化されているものも少なくないでしょう?

 

―――たしかに運転免許も同乗者や歩行者の安全を守る必要がありますし、飲食店を開業しようと思ったら「食品衛生責任者」と「防火管理者」が必要です。

 

Dr.F そうなんです。スポーツ競技の指導は「他者を危険にさらす」可能性があるわけですから、指導者資格の厳しさが、競技者・実践者への優しさにつながるんです。

 「フランスの死亡事故ゼロ」に対して、国が違う、文化が違う、お金の流れが違う、と違いを見つけるのは簡単ですが、それよりも他国の優れたところはどんどん取り入れていかねば、そのしわ寄せは今練習してる子供や弱い人たちに及んでしまいます。ですから、この問題だけは、のんびり、ゆっくり取り組んでいる暇はないんです。

 

―――この連載でも安全性について述べてくださっていますが、スポーツ安全を推進していく上での問題にはどんなものがありますか?

 

Dr.F やはりスポーツ現場と医療現場の間の「見えない壁」は問題です。2年ほど前ですが、僕もかつて一緒に練習したことがある、あるカラテの先生が練習のスパーリングで脇腹を痛めたんですね。「脇腹を痛める、アバラにひびが入る」ってまあ、言ってしまえば試合でも道場でも、そこそこ頻繁に見られる風景だと思うんです。

 

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―――たしかに「アバラが折れて一人前」なんて空気もまだまだありますよね。

 

Dr.F そうなんです。格闘技をやる上で「よくあることだから」と病院に行かなかったり、十分な検査もしていないのに「肋骨骨折」(アバラが折れた)と自己診断したりするケースも少なくないと思います。ですが、肋骨の奥には重要臓器があるわけで・・・。そのカラテの先生は、内臓損傷が原因で数日してから他界されました。

 

―――えー、肋骨骨折だけではなかった、と。

 

Dr.F 肝臓にも損傷が及んでいたそうです。格闘系は我慢強い方が多いですし、事実、「痛みを我慢する」とか「痛みを無視する」といったスキルが勝利につながる面もあるじゃないですか。だからどうしても「これくらいは耐えられる」とか「なんのこれしき」といったバイアスが働きやすいんですね。

 

―――試合や修行に必要なマインドがマイナスに働いてしまうんですね。

 

Dr.F そうなんです。またドクターサイドも、患者さんが問診で「練習でアバラを痛めました」と言った場合、「果たして内臓損傷まで疑って検査するかどうか」という問題もあるんです。僕は実際にこのような症例を知っているから、レントゲンで骨の評価をするだけでなく、CTで腹部の評価、あと血液検査でも肝臓の酵素の逸脱など無いかどうか等、総合的に確認をしますが、肋骨骨折の診断→治療で止まってしまうケースもありえる話です。

 

 

―――それは非常に怖いですね。スポーツ現場も医学的視点をもたねばならないし、医療の現場もスポーツでどんなことが起こりうるかを知っておかねばならない、というわけですね。

 

Dr.F  おっしゃる通りです。それぞれの文化の違い、立場の違いはあれど、安全、健康、命といった領域ではきちんと同じ方向を向いて、「ひとりの人間としてのベネフィット」を考えていかねばならないと思うんです。

 

―――今、文化の違い、立場の違いとおっしゃいましたが、まさにそれらを乗り越える活動されているのが、スポーツ安全指導推進機構のだと思うのですが、具体的にはどのような取り組みがなされているのでしょうか?

 

Dr.F  とにかく「スポーツ安全意識の高い指導者の見える化」を徹底しています。心臓震盪、頭蓋骨内出血、慢性外傷性脳症(パンチドランカー)、内科的問題、子供の脆弱性熱中症など、「指導する上でこれだけは押さえておいてもらわないと困る」という医学知識、それから指導者が知っておくべき法律知識、スポーツ安全に関する世界の動向、などなどをまず全てオンラインの動画や記事で学んでもらいます。

 

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―――オンラインであれば、アクセスしやすいですね。

 

Dr.F 場所と時間の制約無しに受講できるので、コロナ禍を逆利用して全てオンライン化を実現しました。

 

 

―――ということは、テストもオンラインなのですか?

 

Dr.F はい、もちろんです。エントリーから7日間の間に学習をいただき、学習が終わったらメールでご連絡をいただいています。そのメールに返信する形で、テスト問題が送られてくるので、(数日内の)期日までに回答を返信していただきます。

 

―――なるほど、それは非常に画期的なシステムですね。時間と場所の制約なしに、受講、受験できるというのは有り難いですね。

 

 

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(2)に続く

 

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https://www.amazon.co.jp/Dr-F%E3%81%AE%E6%A0%BC%E9%97%98%E6%8A%80%E5%8C%BB%E5%AD%A6-%E7%AC%AC2%E7%89%88-%E4%BA%8C%E9%87%8D%E4%BD%9C%E6%8B%93%E4%B9%9F/dp/479806324X

マイク・タイソン強さの秘密② 顔認証システム

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ーーーなるほど、ということはタイソンの場合、逆の戦術ということなのですね。

 

Dr.F まさしく。ヘビー級の中では小柄でリーチも短かったタイソンは、このピーカブースタイルで構えることによって、「相手との距離をゼロにする戦術」を実行したんです。距離が「ゼロ」になれば、離れ際に有利なのはどちらでしょう?

 

 

ーーーあ! 短い選手の方が先にパンチを当てられますね!

 

 

Dr.F 正解です! 彼のピーカブースタイルは、相手との距離をゼロにするのに最も適した構えだったんです。これ、拳を前に出して構えると、距離をゼロにしづらいですよね?

 

ーーー確かにその通りですね。自分のグローブと自分の顔面の空間の隙間に叩き込まれるリスクも生じますね。

 

Dr.F そうなんです。グローブを自分の顔面に近づけるメリットは、相手の空間を与えない、という側面もありますよね。彼は相手の制空権まではこの構えのままツカツカと歩いていきます。で、相手の制空権、つまり「相手のジャブが自分に当たるか当たらないかくらいの距離」になった瞬間、ガクンと重力方向に沈むんです。

 

 

ーーーつまり、相手の視界から消えてしまう。

 

 

Dr.F はい。そして消えた次の瞬間、「ジャンプ動作+パンチ」をヒットさせるんです。相手は、下に沈まれたら、つい眼で下を追っちゃいます。自分より小さなタイソンが、さらに小さくなったと思ったら、突然ドンっと網膜に映る視覚情報がデカくなるわけです。

 

人間の視覚は、時間の経過とともに小さくなっていく像を「離れていく」、大きくなっていく像を「近づいてくる」ように認識しますが、タイソンは下に沈んだ瞬間、相手からすれば視覚情報として小さくなっているにもかかわらず、距離的には近づいてしまっているわけです。ですから相手の脳には「一瞬離れた」ように認識される可能性があるんです。

 

ーーーうわぁ……。高等技術だったんですね……。

 

Dr.F ダンプカーが近づいてきたら怖いですが、近づいてきて離れたら、その瞬間、ちょっと安心しませんか?

 

ーーーはい、今その場面を想像してみたのですが、離れたら安心しちゃうと思います。タイソンの対戦相手も、これと同じような現象が起きていると考えられるわけですね?

 

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Dr.F そうですね、映像で倒れ方や倒れた直後の反応を見ても、「見えてない人の倒れ方」に見えるんですよね。何が起きたか分かっていないような。いわゆる防御反応が起きてないダウンが見られるんです。ですからほんの一瞬、相手の脳に「?」のような空白が生じた可能性はあると思います。

 急に小さくなった、その次の瞬間、今度は急にジャンプ動作と共に大きくなって、視覚情報の処理が追いつく前にパンチがテンプルや下顎を高速で通過する、といった感じです。

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 もちろん、タイソンのバネの効いた強靭かつしなやかなボディから圧倒的パンチ力が生み出されているのは間違いないです。この身体ベースがあるからKOできたわけですし、ここを無視してはいけないです。そしてそれをさらに効果的にヒットさせる「術」の部分も映像から垣間見れるんです。圧倒的基礎体力に裏打ちされた術ですよね。

 

ーーーなるほど、本当に奥が深いですね。あの構えは、タイソンのリーチ、体格、ルール、全身のバネ、得意技、スピード、そういったものにフィットした必然性のある構えだったというわけですね。

 

Dr.F そこがホント面白いですし、研究しがいがあるところですよね。再びこのレントゲン写真をみると、両下顎のラインが両方の鎖骨の上に乗っていて、仮に相手のパンチを喰らったとしても、頭部が回転しにくいようになっています。首から上が両鎖骨のつくる凹にキレイにハマっているから、顔面KOの原理である「頭部が急速回転する」リスクを構えの時点でかなり軽減していることが分かります。

 

 

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ーーーなるほど、物理的にもKOされにくい構えをとっていたんですね。これは意識的に行っていたんでしょうか?

 

Dr.F もちろんタイソン選手本人がそのように自覚していたかは分かりません。ただ、彼を育てたカス・ダマトは、マイク・タイソンというチャンピオンを戦略的につくってきたらしいのです。

 

背が伸びすぎないように重い荷物を背負って学校に通わせた、というエピソードもありますし、カス・ダマトとの練習映像でも、ロープステッピング(縄跳び)を通常の高さと、沈んだときの高さを行ったり来たりするメニューが記録されていますので、彼には理想のタイソン・スタイルがヴィジョンとしてあったのかもしれませんね。

 

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ーーーなるほど、その可能性もあり得るわけですね。それにしても、レントゲン1枚からいろんなことが分かるんですね。

 

Dr.F「実際はどう考えていたか」ももちろん大切なのですが、「そこに何を見つけるか」も同じくらい大切だと思うんです。「意識してたわけじゃないんだけど、実は理に適っていた」とか。「最初は意味が分からなかったけど、やっているうちにしっくりくるようになった」とか、そういうことは、よくあることなので。

 

ーーーそういう意味では、レントゲンを含めた医学や科学的情報が伝わっていくというのは、選手として活躍できる期間が限られている現役選手にとってありがたいですね。SNSなどでも「確信をもって技術を磨ける」「実際に試しながら練習するのが楽しい」といった声を拝見しました。今回の書籍では、「脳と運動」のセクションが新たに加わっているのですが、そのあたりの観点からはいかがですか?

 

 

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DrF 「脳と運動」の視点から見ても、非常に興味深いです! このレントゲンからも分かるように、タイソンってグローブで顔の下半分を隠しているでしょう?

 

ーーーはい、顔は完全に見えませんね。

 

Dr.F これで「相手の脳に顔認証されづらい」状況を生んでいます。

 

ーーー顔認証、ですか? あのスマホで撮影するときの。

 

Dr.F そう、それです。人間の脳には、モノを認識するエリアと、顔を認識するエリアが別々に存在することが分かっていまして。顔認証に関わる脳の領域が活性化したときに「あ、人だ」と判断する可能性が示唆されるんです。

 

 顔を見て「敵か味方か」「知ってる人か知らない人か」を判断したり、ごく微妙な表情筋の動きや瞳孔の動きなどから「怒っている」とか「敵意はなさそうだ」などの感情を読み取ったりするんですね。

 ですから、タイソンの顔の下半分をほとんど隠すピーカブースタイルは、「ピーカブー(いないないばあ)」の名のごとく、相手の脳の顔認証の領域が働きづらく、認識されにくいと考えられるわけです。その上、表情筋などの微細な運動を介しての情報も伝わりづらいんです。

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ーーーなるほど、構えの段階から自分の情報を相手にほとんど与えていない、というわけですね!

 

Dr.F そうなんです。これ、スパーリングで試してみるとよく分かるのですが、相手の顔がよく見えないまま動くの、結構つらいですよー。それだけ僕らは、相手の顔からたくさんの情報を受け取っている、ということが実感できると思います。

 

ーーーさっそく、試してみる読者の方は多いと思います。空手世界王者の纐纈卓真氏のYouTubeチャンネルにDr.Fがゲスト出演された回でも「対人競技は脳vs脳である」と発言されていましたが、まさにそれを裏付けるようなお話ですね。

 

 

 

 

 

Dr.F やはりその部分がやっぱりとても面白いですし、格闘技やスポーツ全体がこれから飛躍的にレベルアップするポイントのように思います。

 今回はマイク・タイソンがモデルとなりましたが、形としては彼とは異なるナジーム・ハメドは、逆にノーガードで顔を相手に認識させて、わざとニヤッと笑ったり、おちょくったりしながら、表情筋をコントロールして相手を混乱させる、ということをやっていますよね。

 

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精密機械のようなタイソン、一流のエンターテイナーのようなハメド、どちらも相手の脳に入力する情報をコントロールするという意味では共通していて、研究対象としても実践モデルとしても本当に面白いです。

 

ーーー1枚のレントゲン写真から、構え、KO、視機能、脳機能、さらには違うタイプに見える選手との共通点、とどんどん発展していくのも格闘技医学の魅力だと感じました。さらなる研究をしたい方々、もっと知りたい方は、どうすればいいですか?

 

Dr.F 格闘技医学会、という研究機関で、有名選手や指導者、ドクター、理学療法士、弁護士など、あらゆる立場の皆さんで研究・実践・検証を繰り返していますので、ご興味のある方はツイッター、もしくはFBにて私までご連絡をいただければと思います。

二重作 拓也/Dr.F/Takki (@takuyafutaesaku) | Twitter

 

ーーーわかりました。そのような中立的研究機関があるのは、現役選手にとっても、、指導者にとってもありがたいですね。今回も貴重なお話をありがとうございました。

 

Dr.F こちらこそです。少しでも強くなりたい皆様のお役に立てたらうれしいです。

 

societyoffightingmedicine.hatenadiary.com

 

 

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格闘技医学 第2版

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マイク・タイソン強さの秘密① レントゲンからわかること

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一流選手や指導者層に「新しいスタンダード」として話題となっている書籍「格闘技医学 第2版」。今号では、本書の魅力や製作の裏側を著者であるDr.Fに伺いながら、さらなる「強さのヒント」を読者の皆さんにお届けしてみたいと思います。

 

 

ーーー2021年にリリースされた『格闘技医学 第2版』ですが、早くも重版が決まったそうで、おめでとうございます。

 全ジャンルで新刊がどんどん発売される中、重版になるのは1割から2割程度ですから、格闘技・武道関係の書籍としては快挙だと思います。まずは率直なご感想を聞かせていただきますか?

 

Dr.F ありがとうございます。素直にうれしいです。「売れる」を目的に書いているわけではないんですが、だからと言って「売れなくてもいいか」というと商業出版として出版社(秀和システム)から出させていただいてる以上、売れない本は利益も生まないわけです。

 

 正直、コロナ禍にあって、発売記念イベントも、プロモ―ション活動もほとんどできない中で、このような結果につながったのは、やはり手に取ってくださった皆さんの「強くなりたい」気持ちのおかげです。競技の世界はなんだかんだで「結果」が求められる世界ですから、正直、ホッとした面もありますね。

 

 

ーーー強さの根拠を示した作品が結果を出さないのはまずい、と。

 

Dr.F はい、まさにそれです。試合ひとつとっても、あーだこーだ言うのは簡単じゃないですか。でもやるのは大変で、勝つのはもっと大変で。少なくとも、この連載や、拙著を読んでくださる皆さんは、自ら結果を出そう、あるいは選手に結果を出してほしい、と日々奮闘している方々ですので、僕も「著者として結果を出す」という想いはありました。

 

 

ーーーなるほど、そうだったんですね。格闘技医学の特徴のひとつに、「今まで見えなかったこと、想像でしかなかったことが可視化された」という側面があると思うのですが、その端的な例がレントゲンやCT、MRIといった医学検査の画像です。それも病院でよく見る画像とは違ったものもたくさんあって。

 

Dr.F 表紙からして拳で顔面を撃ち抜いてますからね(笑)。

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ーーーそうですね。これらの検査画像を撮影しようと思ったのはなぜですか?

 

Dr.F 単純に自分が知りたかったからですね。例えばマイク・タイソンという伝説級のボクシングヘビー級元世界王者がいますが、彼はなぜあんなにバッタバッタと相手を一撃でぶっ倒すのか? もう疑問で仕方ないわけですよ。

 

 そこで記事を読み漁る、試合やドキュメントをビデオに録画して何度も観る、DVD全集が出ればそれを購入して時代順に試合を観て研究する、ネット出現後は動画サイトで試合はもちろん、流出した練習映像なんかも観るわけです。

 

ーーーそれはマイク・タイソンになりたいとの思いからですか?

 

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Dr.F フィジカルから、素質から、環境から、何から何まで違うのはさすがの僕も理解しているので、タイソンにはなれないのは分かっています(笑)。

 でも、ひとつでもいいから何か彼のスタイルからエッセンスを自分というハードにインストールできないだろうか?という「実践者としての欲求」が根本にあるわけです。

 

ーーーなるほど。

 

Dr.F そこで、「じゃあ、レントゲンを撮ってみるか」ということになって(笑)。

 

ーーーふつうはそうならないと思うんですが(笑)。

 

Dr.F ですよね(笑)。でも、現役選手たちがもし医師免許を与えられたら、こういう実験したいんじゃないでしょうか?

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 だって、パンチひとつにしても、関節技ひとつにしても、ほんの少しの角度の違いとか、力を入れる方向の違いとか、あるいはタイミングとかで全然結果が違うじゃないですか。

 

 【あと3ミリずれていたらギブアップ取ってUFCに出場できた】とか【苦し紛れに出した前蹴りがたまたま相手のボディに刺さった】とか、選手たちはそういうギリギリの戦いをしてるわけで。

 

 であれば、「本当はどうすれば関節技が決まりやすいのだろう?」とか「偶然性の高い現象の再現性を高めるにはどうすればいいのだろう?」といった疑問は追求してればしているほど、湧いてくるはずなんです。

 

ーーーおっしゃる通り、どんどん強くなる人、チャンピオンになっても満足しない人は知的好奇心に溢れている気がします。

 

Dr.F そうなんです。だから僕が被験者となって放射線を浴び(苦笑)、その結果を闘技医学という形で実践者に向けて研究発表している、というわけです。

 

ーーーまさに「実践科学者としての欲求」の部分だと思います。ぜひその視点から「マイク・タイソンの構えのレントゲン」を解説していただけますか?

 

 

 

Dr.F 了解しました。まず、手の向きから見てみましょう。タイソンの構えは掌が自分側を、手の甲が相手側を向いています。この構えは、いわゆる二の腕と呼ばれる上腕二頭筋が軽く収縮している状態で、相手をハグしたり、ウェルカムの意を示すときに働きやすい筋群です。

 

ーーーハグやウェルカム、ですか。

 

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Dr.F はい、これ、逆を考えるとわかりやすいのですが、相手を拒絶するときって、掌を相手に向けませんか?「やめてください!」「ストップ!」「入ってくるな!」のジェスチャーです。

 

ーーーあああ、確かにそうですね。掌を向けられると拒絶というか、距離を取りたいんだな、というのが伝わってきます。

 

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Dr.F そうなんです、リーチのある選手は掌を相手に向ける傾向があります。ボクシングなら「前手のジャブで相手の侵入を防いでおいて、バリアを破ってきたときに後手のストレートで迎撃する」とか、キックなら「前足、前手で邪魔してフラストレーションを与えておいて、それを解かれたときに後足の膝蹴りが待っている」みたいな戦術です。

 

②へ続く

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