スポーツ安全指導推進機構/格闘技医学会

スポーツの安全情報、医学情報を発信。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

格闘技・武道と内科的リスク(1) 高尿酸結晶と痛風

【格闘技・武道と内科的リスク】 医学部で勉強を始めた時、いちばん驚いたというか、ショックだったのは、病気の種類のあまりの多さです。先天性の疾患、遺伝性のもの、生活習慣からくるもの……それまで自分が知らなかっただけで、数え切れないくらいあり、し…

ジュニアと心臓震盪(4) ≪心臓震盪が疑われる場合の対応フローチャート≫

・〇〇と△△をチェック! ・胸骨圧迫からスタート ・フローチャートを常に携帯しよう! ーーーーーーーーーーーーーーー 心臓震盪が疑われる場合の対応 【選手が倒れたときの対応】 実際に、選手が現場で倒れたとしましょう。そのとき、まず意識と呼吸を確認…

ジュニアと心臓震盪(3) 「見極め」よりも「疑い」

・時間との戦いが、生死の分かれ目 ・試合や審査会での事前準備 ・ルート確保とミーティング ・「見極め」はプロでも困難 ーーーーーー 緊急時は時間との戦い。準備が生死を分ける。 【事前準備の重要性】 格闘技や武道の大会で必ずやっておかなければならな…

ジュニアと心臓震盪(2) パニック状態の中で正しい救命ができるか?

・AEDとは? ・シェア数No.1のAED4コマ画像 ・家族が泣き叫ぶ中で使える? ・講習は入口、ゴールは救命 ーーーーーーーーーー 【強い味方、AED】 AEDは正式名称をAutomated External Defibrillatorといい、日本語では自動体外式除細動器(じどうたいが…

ジュニアと心臓震盪(1) 子供の心臓を守るのは大人の責務

・心臓震盪とは? ・なぜ子供に起きるのか? ・命に関わるその病態とは? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 心臓震盪(しんぞうしんとう)という言葉をご存じですか? スポーツ医学先進国のアメリカでは、1990年代か…

KO感覚と医学的背景(2/2) 藤原あらし & Dr.F 

【パワーバランスを考慮した練習】 60戦以上のキャリアを持ち、日本のキック界の中でもベテランとして君臨、かつムエタイの最高峰にも触れてきた藤原だけに、練習のやり方についても一家言持っている。その秘訣は「ほどほど」だということだ。 大切なのは「…

KO感覚と医学的背景(1/2) 藤原あらし & Dr.F 

格闘技・武道を医学的観点から研究する格闘技医学会。その主宰者であるDr.Fが、イサミと共同開発した「KO養成サンドバッグ」(以下、KOバッグ)が人気を博しており、国内はもちろん欧米やアジア等各国から喜びの声が届いている。倒す打撃技術習得に特化…

中井祐樹 vs Dr.F パイオニア対談 第1回:どうしたら強くなれるのか? その発想と指導法

格闘技医学の開拓者 ”Dr. F”こと、二重作拓也が、格闘技界の生きる伝説・中井祐樹と「いかに上達するか」をテーマに指導と医学という2つの立場からスパーリングセッション形式の対談を行った。 ・哲学のぶつかり合い、MMA ・中井祐樹が衝撃を受けた「時間の…

パンチドランカー(3)パンチドランカーチェックリスト11

パンチドランカー、予防に勝る治療なし。 【パンチドランカーチェックリスト11】 格闘技医学会では、11項目のパンチドランカーチェックリストを作成し、現場での意識向上にご活用いただいています。これらが大丈夫であれば、パンチドランカーにならない…

格闘技・武道インフルエンザ予防と対策2019 試合会場編 & 道場・ジム編

戦う相手は、目に見えるとは限らない。 【格闘技・武道インフルエンザ予防と対策2019 試合会場編 格闘技医学会】 手洗い、うがいを励行する、マスクを着用する、予防接種を受ける、といった基本的予防策はもちろん、試合会場特有の事情を考慮した対策が必要…

パンチドランカー(2)「打ち合い」は素人でもできる、「もらわない技術」こそ修練の証。

「脳を守る」意識こそ、一流選手と二流以下の選手の「見えない差」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・予防の意識が低い指導者に注意! ・脳への衝撃を減らす練習体系とは? ・「打ち合い」は素人でもできる…

パンチドランカー(1)~脳の砂漠化・真の恐怖・症状~

【脳の砂漠化】 格闘技における脳への影響で有名な、パンチドランカー。パンチドランカーとは、慢性的な衝撃を受け続けることで、脳細胞が死んでいく病態のこと。格闘技をやらない人でも、「使わない脳細胞」は必要が無いためどんどん死んでいきます。199…

戦うナース VS 格闘技ドクター 正道会館・納江幸利支部長とDr.F(2/2)

脳震盪を甘く見てはいけない ―――確かに、あの勢いは誰も止められなかったですね。 Dr.F ピンポイントの打撃に対して打たれ弱かったとはいえ、リングよりも圧倒的に広いフィールドで、超巨体で走り回った運動経験がありますからね。納江支部長は、ご自身の練…

戦うナース VS 格闘技ドクター 正道会館・納江幸利支部長とDr.F(1/2)

Dr.F VS 正道会館・納江幸利支部長 ・医療の現場と格闘技・武道のギャップとは? ・血液・出血をどのように取り扱うべきか? ・練習での脳震盪への対応とは? 戦うナースであり、指導者としても責任を負う、正道会館・納江幸利支部長と、 格闘技医学会代表・…

格闘技医学会とは?

・格闘技医学会とは? A病院とB病院が、経営上はライバル病院だったとします。どちらも医療や患者サービスの質を競うわけですが、A病院の内科医もB病院の内科医も、「内科学会」でも学んでいます。医学の世界の学術集会は、所属やライバル関係を超越して、「…