スポーツ安全指導推進機構/格闘技医学会

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格闘技医学会とは?

・格闘技医学会とは?

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 A病院とB病院が、経営上はライバル病院だったとします。どちらも医療や患者サービスの質を競うわけですが、A病院の内科医もB病院の内科医も、「内科学会」でも学んでいます。医学の世界の学術集会は、所属やライバル関係を超越して、「医療の質の向上のために、みんなで知恵を出し合おう、研究発表や勉強会を通じて全体の向上をはかろう」という主旨の中立的機関です。それぞれが学会で得た最新情報やノウハウは、各病院に持ちかえられ、患者様にフィードバックされます。結果、A病院もB病院も医療の質が向上し、主体である患者様の健康が促進されます。

 医学は、もの凄いスピードで進化していきます。薬も手術法も治療法も、革新に継ぐ革新であり、スタンダードがすぐに取って代わられることもしばしばです。ひとり経験則では、到底追いつかないですから、他人の経験を自分のものとして取り込む「集合知」の存在が重要性を帯びてくるのです。

 格闘技医学会は、格闘技・武道の安全性向上、パフォーマンス向上、社会的地位向上を目的とした研究機関です。指導者、世界王者を含む現役選手、格闘技経験を有する医師・理学療法士・看護師・弁護士など志ある有識者から構成され、日々研究やディスカッションを通じて医学的エビデンスが蓄積される「進化するスポーツ医学」のシンクタンクです。メンバーは、最新の情報にアクセスし、道場やジムで実践します。そこで得られた経験は、知識として再び共有されます。ジャンルや流派、背景、国籍、人種を問わず、むしろそれぞれの「違い」を尊重しながら学び合う場、格闘技医学会。海外でも格闘技医学への関心が急速に高まっており、新しい流れとなっています。