スポーツ安全指導推進機構/格闘技医学会

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弁護士とドクター対談(1)~医学と、法と、スポーツと~

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・法と医学の専門家、集う!

生涯スポーツとして実践する社会派・加藤英男弁護士にとっての格闘技とは?

・スポーツ専門の法律家・岩熊豊和弁護士の活動とは?

・全てに通じる上級のこつ、とは?

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医学と、法と、スポーツと

――Dr.Fの同志的存在であり、法律や問題解決の専門家、加藤英男弁護士、岩熊豊和弁護士をお迎えしての座談会です。スポーツ、格闘技・武道についての問題意識やその解決方法含め、有意義な対談になりそうで楽しみです。それでは自己紹介をお願いします。

 

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加藤 こんにちは。加藤英男です。私は、名古屋で開業する弁護士で、50代半ば過ぎですが、趣味は格闘技です。仕事は、民事事件全般を扱いますが主に労働関係事件に力を入れています。スポーツに関しては、学生時代に2年間フルコン空手道場に通いまして、その後、遠ざかっていたのですが、数年前から、また道場に通っています。空手再開後2年ほどして、試合で思うように結果を出せず、知人から誘われた「格闘技の東海祭り」で二重作先生にご指導を頂き、その後、格闘技医学のファンです。どうぞよろしくお願いします。

 

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岩熊 こんにちは。岩熊豊和と申します。福岡県で弁護士をしています。私は小学校入学と同時に野球を始め、高校時代は甲子園を目指していました(残念ながら出場できませんでしたが)。平成12年10月に弁護士登録した後、福岡県弁護士会の野球チーム「球団福岡」に入部しました。現在は同チームでキャプテンを務めています。仕事面では主に民事事件を担当していますが、スポーツ界で発生している様々な問題に関しての相談に対応しています。二重作先生とは高校の同級生であり、高校卒業後も予備校で一緒に勉強した間柄です。よろしくお願いいたします。

 

Dr.F 先生方、よろしくお願いします。まず、加藤先生におかれましては、カラテを志されながらも「社会的な強さとは何か?」というところで現在弱者の味方として活動されている、というところに特に魅力を感じています。ライトなスパーリングでしたが出逢ったその日に殴り合ったのも印象深いです!

 

―――医師と弁護士をつないだのも格闘技であった、と。

 

Dr.F 加藤先生のお人柄がスパーを通じて自分の中に入ってきましたね。同期の岩熊先生とは、15歳から知ってるので、今、先生と呼び合っているのが不思議な感覚です。僕たちの母校・東筑高校の野球部は、夏の甲子園に続き、春の選抜も出場を決めた強豪校です。僕らが高校時代、岩熊投手は当時、炎天下の中で肋骨負傷をしながらもマウンドで渾身の投球をされてました。その後予備校でも修行者として席を同じくするのですが(笑)、今も野球を大切にして専門職を全うされる様子を知り「流石、岩熊投手!」と応援席にいる気分ですね。

 

―――武道やスポーツという共通点があったのですね。お二人から見て、Dr.Fの格闘技医学はどのように映りますか?

 

岩熊 実は1~2年前に二重作先生が格闘技ドクターとしてご活躍されていることを知ったわけですが、一言でいうと「おもしろい!」という感想です。私が「格闘技」という言葉から連想するのは「怪我」であり、「ドクター」というからは「治療」です。この相反するはずの分野を1つにすることで「怪我をしない格闘技」を作り出そうとしているわけです。最初は「どういうこと?」と思っていましたが、今では「なるほど!」と勉強させてもらっています。

 

Dr.F ありがとうございます。自慢ですけど、負けた経験と怪我の経験は、結構あります(笑)そのままでは浮かばれないので、格闘技医学という形で発信しています(笑)この活動も、高校時代の経験も大きいんですよ!

 

文武両道、福岡県立東筑高校高校野球

 

岩熊 高校時代?わが母校東筑高校には空手部はなかったと思いますが、どのような経験ですか?

 

Dr.F 岩熊投手たち、メジャーな運動部の華々しい活躍が影響していました。格闘技ブーム以前って、カラテをやってる人ってマイナーだったんです。柔道部や剣道部はあっても空手部はなかったですし、たぶん今も独立した形では母校に空手部はないと思います。

 僕の場合、町道場だったので、野球部やラグビー部といった運動部の皆さんのように母校を代表してなかったんですね。さらに僕には球技センスが完全に欠落していたので、「羨ましいな、凄いな」って思ってました。母校を背負うのは10代にとって相当なプレッシャーだったと思いますが、岩熊先生は当時そのあたりはいかがでしたか?

 

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岩熊
入部した当初は自分のことで精一杯でしたね。それが背番号をもらってベンチ入りし、試合で投げるようになったりしてくると、段々と周りから期待されるようになりました。しかも応援部や吹奏楽部、同級生、先輩・後輩、そのご父兄と、その範囲はどんどん広がっていくわけで(笑) プレッシャーは徐々に大きくなりましたが、モチベーションも高くなっていいましたね。むしろ、個人の方がモチベーションを高く持ち続けるのは難しいと思いますが、どうでしたか?

 

Dr.F ベンチ入り、とか応援団と吹奏楽、という言葉を聞くと、「テレビ画面の中の世界」という感じですね。特に投手は、1球、1球、会場中も中継では視聴者も注目してますから、プレッシャー凄いはずですよ。

 僕の場合、試合中の蹴りなんてセコンドさえ見てくれてないですから(笑)そんな中で試合に出ると、「東筑に負けたらイカン」などの声が耳に入るんです。支部の代表で出てるのに「進学校に負けんな」みたいな完全アウェイ(笑)土地柄、パワーが有り余ってる若者が多く、ビーバップハイスクールみたいな髪型の連中には絶対負けない、がモチベーションのひとつでした(笑)

 

岩熊 たしかに(笑)ワイルドな土地柄ですよね。部活動とは違った形で、母校を背負っていたというわけですね。

 

Dr.F あははは、カッコよく言うとそうなりますが、過大評価です(笑)

 

苦労の節約

 

―――同級生ならではのご経験は面白いです。加藤先生は格闘技医学というジャンルをどのように捉えていらっしゃいますか?

 

加藤 格闘技医学についての、最初のイメージは、ずばり「苦労の節約」です。学生時代に空手を修行し、その後再びやるようになったのですが、壮年クラスの色帯大会ならば、せめて入賞はできるのではないかと軽く考えて出場したのですが、2回続けて初戦敗退でした。たまたま技量が高く、一回り若い相手だったということもありましたが、やはり悔しくて。彼らに勝ちたい、上達したい、しかも、早く。年齢を考えたら、先は長くありませんから。

 

 そんなことを、格闘技専門ショップのイサミ名古屋支店の店長にボヤいたところ、「このDVD、お勧めです!」と紹介されたのが、『Dr.Fシリーズ』。その場で二枚購入、観てみてびっくり!身体の使い方、効果的な打撃部位が明快に解説されていました。

 

 学生時代、ごく少数の優しい先輩がこっそり教えてくれるような、秘伝だったであろうコツ、早く上達したい私が欲しかった情報でした。その後、『格闘技の東海祭り』に行きませんかと他の道場の指導員から誘われ、DVDの人が来るなら、行かずにおれるか、と。

 

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岩熊 二重作先生がDVDの中の人、だったんですね。

 

Dr.F セコンドも蹴りを見てくれなかったのに(笑)

 

加藤 そうなんです(笑)そこで、上段蹴りのコツを直に伝授され、涙の股割り無しに、すぐにその場で学生時代に近い高さを蹴れました。「明快で再現性があること」、これが格闘技医学ですね。「即効性があること」も。おかげさまで上段を褒められるようになりました。コツというものは、作業の効率を上げてくれて求める成果を得られる期間を短縮させてくれるものですが、(1)即効性があり、(2)低コストで、(2)副作用がない三拍子揃ったコツが「上級のコツ」だそうです。

 格闘技医学は、まさにそれですね。科学の自然法則と医学の人体構造に基づいた明快な内容ですから、私がすぐに上段を蹴れるようになったように、誰にも、すぐ、簡単に、副作用なく、求める結果を再現させられる上級のコツです。最近は、交流会などで、子どもらの指導のアシスタントをすることがあるのですが、そこで、思うようになったのが、安心して子どもに教えられる格闘技、先程、岩熊先生がおっしゃった、「けがをしない格闘技」を教えられるのが格闘技医学、というイメージですね。

 

Dr.F  加藤先生、褒めすぎです(笑)ですが、ファイト&ライフの連載もそうですし、書籍やDVDを通じて、直接お会いできない皆さんの格闘技ライフに少し貢献できることは得難い喜びです。

 

(2へ続く)

https://societyoffightingmedicine.hatenadiary.com/entry/2019/08/30/211606

 

Dr.Fの格闘技医学 第2版(秀和システム

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